最近ニュースで話題となった技能実習制度の廃止について、「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」で議論された「中間報告書たたき台」の概要では、6つの論点で現状と新たな制度について述べている。
論点1の「制度目的と実態を踏まえた 制度の在り方(技能実習)」では、現状の「人材育成を通じた国際貢献」を、新たな制度として、「人材育成機能は維持するが、人材確保も制度目的に加え、実態に即 した制度とする」とした。
論点2の「外国人が成長しつつ、中長期に活躍 できる制度(キャリアパス)の構築」では、現状の「職種が特定技能の分野と不一致」を、新たな制度として、「◇職種は特定技能の分野にそろえる(主たる技能の育成・評価を行 う。技能評価の在り方は引き続き議論)◇外国人がキャリアアップしつつ我が国で修得した技能等を更にい かすことできる制度とする」とされた。
論点3の「受入れ見込数の設定等の在り方」では、現状の「受入れ見込数の設定のプロセス が不透明」を、新たな制度として「人手不足状況の確認や受入れ見込数等の設定は、様々な関係者の意 見やエビデンスを踏まえつつ判断がされる仕組みとするなどの措置 を講ずることでプロセスの透明化を図る」とした。
論点4の「転籍の在り方(技能実習)」では、現状の「原則不可」を、新たな制度として「人材育成に由来する転籍制限は、限定的に残しつつも、制度目的に 人材確保を位置づけることから、制度趣旨と外国人の保護の観点か ら、従来より緩和する(転籍制限の在り方は引き続き議論)」とした。
論点5の「管理監督や支援体制の在り方」では、現状の「◇監理団体、登録支援機関、技 能実習機構の指導監督や支援の 体制面で不十分な面がある◇悪質な送出機関が存在」を、新たな制度として「◇監理団体や登録支援機関は存続した上で要件を厳格化するなどし て監理・支援能力の向上を図る(機能や要件は引き続き議論)◇外国人技能実習機構は存続した上で体制を整備して管理・支援能 力の向上を図る ◇悪質な送出機関の排除等に向けた実効的な二国間取決めなどの取組を強化する」とした。
論点6の「外国人の日本語能力向上 に向けた取組」では、現状の「本人の能力や教育水準の定めなし」を、「一定水準の日本語能力を確保できるよう就労開始前の日本語能力の 担保方策及び来日後において日本語能力が段階的に向上する仕組みを設ける」とした。
以上はあくまでもたたき台であるが、感想としては、本当に世界中から現代の奴隷制度といわれる技能実習制度が廃止になるの?である。